交通事故は、一方の過失のみでおこることもありますが、事案によっては双方に過失が認められるケースもあります。
過失相殺とは、損害賠償の算定おいて、人身事故であれば請求する被害者に認められる過失の程度(割合)に応じて、損害賠償金額から減額することをいいます。
例えば、横断歩道がある道路で、横断歩道ではなく横断歩道の付近を歩行者が横断中に直進自動車と衝突した場合、歩行者の基本過失は30%とされます(別冊判例タイムズNo38【33図】による)。
ここで引用しました別冊判例タイムズNo38とは、交通事故を338類型程度に分けて過失割合の基準を示すもので、裁判所・保険実務において一般に用いられています。
交渉段階でも相手方保険会社・代理人は、この別冊判例タイムズの基本基準を用いて、過失相殺の主張を行いますが、自己に不利な事情は修正せずに、相手に不利な部分だけを修正して主張することもあり、基本基準を用いているからといって必ずしも適正・妥当な割合とは限りません。
当事務所にご依頼頂いた事例では、下記のようなケースがありました。
片側2車線の道路に駐車場から出て第1車線に進入した依頼者の車両に、ちょうど第2車線から第1車線に車線変更してきた相手方車両が衝突した事故がありました。
この事故の賠償を巡っては、最終的に訴訟での解決となりましたが、相手方は、依頼者に9割の過失があると主張していました。
本件では、依頼者の車両が道路に進入する際の具体的な状況を主張立証し、単なる直進車両と衝突した場合と過失割合の考え方が異なるとの主張を行い、最終的に依頼者に3割、相手方に7割の過失を認めるとの内容で解決しました。
相手方主張する過失割合では、依頼者はその損害のうち1割しか賠償を受けることができないところでした。
片側2車線の道路に駐車場から出て第1車線に進入した依頼者の車両に、ちょうど第2車線から第1車線に車線変更してきた相手方車両が衝突した事故がありました。
この事故の賠償を巡っては、最終的に訴訟での解決となりましたが、相手方は、依頼者に9割の過失があると主張していました。
本件では、依頼者の車両が道路に進入する際の具体的な状況を主張立証し、単なる直進車両と衝突した場合と過失割合の考え方が異なるとの主張を行い、最終的に依頼者に3割、相手方に7割の過失を認めるとの内容で解決しました。
相手方主張する過失割合では、依頼者はその損害のうち1割しか賠償を受けることができないところでした。
当事務所では、保険会社側の案件をも扱うことから、物損事故を含む過失割合を巡る多様な案件の経験があります。
過失割合が1割変わるだけで損害賠償額が大きく変わりますので、過失相殺の主張を受けている方は、その主張が適切・妥当なのか弁護士に相談されることをお勧めします。
「ご相談の流れ」を予めご覧いただくと、ご参考になるかもしれません。
また、「解決事例」も紹介しておりますので、弁護士のサポートのタイミングなどについてご参考いただければ幸いです。