脊髄損傷とは
1脊髄損傷とは何か
脊髄損傷は、脳からの指令を体へ伝える神経である脊髄が、外傷などによって損傷を受ける状態です。脊髄が損傷すると、脳からの指令が正確に体へ伝わらなくなり、運動機能、感覚機能、自律神経機能などに障害が生じます。
2. 脊髄損傷による症状
脊髄損傷の症状は、損傷を受けた部位によって異なります。一般的に、損傷部位が脳に近いほど、麻痺する範囲が広くなります。麻痺の程度は、完全麻痺(運動機能が完全に失われる)から不完全麻痺(一部の機能が残る)まで様々です。また、排尿・排便障害、呼吸困難などの症状が現れることもあります。
3. 脊髄損傷による後遺障害の影響
脊髄損傷は、重篤な後遺障害を残す可能性が高く、本人の人生に大きな影響を与えます。具体的には、以下の様な影響が考えられます。
- 日常生活の自立が困難になる: 車いす生活、介護が必要になるなど、日常生活の自立が困難になることがあります。
- 精神的な負担: 身体的な障害に加え、精神的なショックや不安、抑うつ状態になることがあります。
- 社会生活への影響: 就業が困難になったり、人間関係が変化したりすることがあります。
- 家族への負担: 介護や介助が必要となり、家族にも大きな負担がかかります。
4. 適切な後遺障害等級の認定と賠償
脊髄損傷による後遺障害が重篤な場合は、適切な後遺障害等級の認定を受け、将来にわたって必要な介護・介助費用などを含めた十分な賠償を受ける必要があります。
後遺障害等級の認定に必要なもの
- MRI画像などの画像所見: 損傷の程度や範囲を客観的に示す重要な証拠となります。
- 神経学的所見: 麻痺の程度や感覚障害などの神経学的状態を詳細に記載した医師の診断書など。
- 日常生活動作能力の評価: 日常生活を送る上での能力を評価する医師の診断書など。
賠償額の算定
賠償額は、以下の要素を総合的に考慮して算定されます。
- 後遺障害の程度: 後遺障害等級に基づいて算定されます。
- 治療費: 過去の治療費と将来の治療費が見込まれます。
- 逸失利益: 働けなくなったことによる収入の損失が見込まれます。
- 慰謝料: 心身の苦痛に対する慰謝料が認められます。
- 介護費用: 将来にわたって必要な介護費用が見込まれます。
専門家への相談
後遺障害等級の認定や賠償請求は、専門的な知識と経験が必要となります。弁護士や医療機関の専門家などに相談することをおすすめします。
まとめ
脊髄損傷は、本人だけでなく、家族にとっても大きな負担となる可能性があります。適切な後遺障害等級の認定を受け、将来にわたって安心して生活できるよう、専門家のサポートを受けることが重要です。