むちうち(むち打ち)は、交通事故に遭った際によく生じる怪我の一つです。
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
むちうちは、医師によっては、積極的な治療は必要がない、時間が経てばよくなるなどとおっしゃったり、一定期間で一律に治療を打ち切ろうとされることがあります。
しかし、むちうちも治療を続けても症状の改善に限界があり、痛みや痺れが残り、後遺障害として等級認定されることもある重い障害の一つです。
頭が痛い、首から肩にかけて痛い、腕や手がしびれるなどの症状をほおっておくと後遺障害が残ってしまい、生活や仕事に支障を与えることにもなりかねません。
さらに適切な治療を受けていないことで、後遺障害が残っているにも関わらず後遺障害の等級認定を受けることができないという二重の苦痛・損害を受けることにもなりかねません。
むちうちを軽く見ることなく、むちうちに理解のある医師のもとで治療を受けて、症状が改善しないことも可能性としてありうることを前提に早めに弁護士にも相談されることをお勧めします。
むちうちの事例
当事務所で「頸椎捻挫等につき被害者請求で後遺障害等級14級の認定を受けて、交渉により解決した事例」を紹介します。
【相談者】 女性(40代) / 熊本県在住 / 職業:主婦
【受任時期】 事故直後(治療中)
【傷病名】 頸椎捻挫、胸椎捻挫、腰椎捻挫
【後遺障害等級】 14級
【活動のポイント】 治療費打ち切り後も治療を続けて被害者請求により後遺障害等級14級の認定を受けた
【サポート結果】 後遺障害14級9号の認定を受けた上で、訴訟にて解決
主な損害項目 | 事前提示額 | 解決額 | 増加額 |
後遺障害賠償額 | 治療費の打ち切り | 191万円 | 191万円 |
賠償額(治療費除く) | 提示前 | 425万円 | 425万円 |
むちうち症は、追突事故などを原因に起こることが多い傷害ですが、通称で、診断書では、頚椎捻挫、頚部挫傷、外傷性頚部症候群などと診断されます。
事故直後は、体が興奮・緊張状態で異常に気づかず、翌日等数日経過してからじわじわと痛みを感じたり、頭痛、肩こり、目眩といった症状が現われて気づくこともあります。
むちうちは、骨折等と違って、一般には外傷が確認できないこと、多くの方が受ける傷害でもあり、症状固定後に症状が残存していても簡単に後遺障害の等級認定を受けることはできません。
症状が残存した場合に後遺障害の等級認定を得るためには、可能な限り症状固定前から適切な治療・検査を受けておくことが求められます。
特に神経の状況を把握するためにはMRI検査が有用です。事故直後にMRI検査を含む必要な検査を受けておくべきです。
仮に異常がなければそれはそれで良かったことになりますが、仮に異常があった場合、治療の選択肢が増えることもありますし、後遺障害の等級認定でも有利に働きます。
異常があっても撮影が事故から相当期間経過してからでは事故と無関係といわれかねませんし、検査費用も否定されることもあります。
むちうち症の検査や治療を行う際には、むちうち症に精通したドクターの下で検査と治療を行うことをお勧めします。
むちうちに関してお困りのことがございましたら、当事務所までお気軽にご相談下さい。
むちうち症の等級認定について
等級 | 労働能力喪失率 | 労働能力喪失期間 | 認定基準 |
12級13号 | 14% | 5~10年 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 5% | 5年以下 | 局部に神経症状を残すもの |
労働能力喪失率・労働能力喪失期間は、認定されやすいケースの数値で、事案によって異なります。
むちうち治療のポイント
交通事故の後遺症で悩んでいる方へ。
むちうちで痛みやしびれが残った場合、自賠責の後遺障害等級で14級や12級の等級認定を受ける可能性があります。しかし、後遺障害の等級認定を受けるために適切な対処をしなければ、等級認定を受ける可能性がある症状にもかかわらず、等級認定を受けることができない事態が生じかねません。
こちらでは、むちうち治療で大切なポイントをまとめましたので、ぜひご参考ください。できれば後遺障害に悩まされることなく、日常を取り戻すことが最大の願いです。
むちうちの後遺障害等級認定の参考とされる検査
むちうちによる痛み/しびれの症状が残存している場合、後遺障害の等級認定において、下のような検査結果が参考にされます。パーリングテストスパーリングテストとは神経学的...
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