高齢の主婦が交通事故に遭った際、保険会社は「年齢的に働いていない(逸失利益は低い)」「家事は家族がやればいい」といった理屈で、賠償額を低く抑えようとします。しかし、70代であっても家事労働には経済的な価値があります。本事例は、右腕骨折で12級が残った70代主婦に対し、弁護士が「家事労働の価値」と「過失ゼロ」を徹底的に主張し、1,150万円という高額解決を導いた事例です。
ご相談時の状況:高齢を理由にした低い提示
ご依頼者様(70代女性・主婦)は、駐車場内で自転車に乗っていたところ、後退してきた車に衝突され、右腕(尺骨・橈骨遠位端)を骨折する重傷を負いました。 治療後、後遺障害12級が認定されましたが、保険会社からの提示額は、高齢であることを理由に休業損害や逸失利益が極めて低く見積もられていました。また、駐車場内の事故であるため、被害者側にも過失があるとして減額される恐れもありました。
アリオン法律事務所の戦略:生活実態の立証と過失の阻止
私たちは、ご依頼者様の「生活の実態」と「事故の状況」を詳細に分析し、以下の戦略で交渉に臨みました。
- 家事労働の具体的な立証
「高齢だから家事はしていないだろう」という予断を排するため、ご依頼者様の日常生活を詳細にヒアリング。料理、掃除、洗濯など、具体的にどのような家事を担っていたかを主張し、骨折による後遺症がその家事労働にどれほど支障をきたしているかを論理的に説明しました。 - 刑事記録による「過失ゼロ」の主張
相手方は過失相殺(被害者の不注意による減額)を求めてくる可能性がありましたが、警察から刑事記録を取り寄せて事故状況を精査。相手方の後方不注意が主たる原因であることを突きつけ、「被害者に過失はない(過失割合0)」という前提での解決を求めました。
解決結果:過失相殺なし、1,150万円での解決
異議申立による等級アップは叶いませんでしたが、交渉段階での粘り強い主張が功を奏しました。
- 過失割合: 被害者の過失は問われず、 減額なし(0%) で合意。
- 賠償額: 主婦としての休業損害・逸失利益が十分に評価され、1,150万円(治療費等は除く)で示談成立。
担当弁護士のコメント
高齢者の事故では、保険会社は「稼働能力が低い」として賠償金を安く見積もる傾向にあります。しかし、年齢に関係なく、痛みを抱えながら生活を送る苦しみや、家事ができなくなる不利益は正当に評価されるべきです。諦めずに専門家に相談することで、老後の生活を支える大切な資金を守ることができます。
ご依頼者様からのアンケート
当事務所の弁護士の対応はいかがでしたでしょうか。
大変満足
当事務所の事務スタッフの対応はいかがでしたでしょうか。
大変満足
大変よくしていただき、また、今後何かありましたら、先生にヨロシクお願いしたいと思います。
また、友人にも、こちらの先生をアピールしようと思っています。本当にありがとうございました。感謝しております。
よくあるご質問:高齢者の交通事故・逸失利益
Q1. 70代でも「逸失利益(将来の収入補償)」はもらえますか?
- A. はい、主婦や現役で働いている場合は認められます。 専業主婦であっても、「家事労働」という経済的価値を提供しているため、平均寿命などを考慮した一定期間の逸失利益が認められます。年齢だけで「ゼロ」になることはありません。
Q2. 駐車場内の事故は「50:50」になると言われました。本当ですか?
- A. いいえ、事故状況によります。 駐車場内は過失割合が曖昧になりがちですが、本事例のように「後退車」と「停車中・徐行中の自転車」などの場合、車の過失が100%となるケースもあります。安易に妥協せず、弁護士に過失割合の診断を依頼してください。
Q3. 骨折して12級認定。慰謝料の相場はどれくらいですか?
- A. 弁護士基準なら、後遺障害慰謝料だけで290万円程度です。 これに加え、入通院慰謝料(入院期間・通院期間による)と逸失利益が加算されます。自賠責基準(94万円)とは大きな差がありますので、必ず弁護士基準で計算し直すべきです。
解決事例
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