自転車事故による「骨盤骨折(恥骨骨折・坐骨骨折など)」は、レントゲン等の画像だけでは辛さが伝わりにくく、保険会社から「画像上は治っている」として早期の治療打ち切りや、低い示談金を提示されやすい傾向にあります。
しかし、諦めないでください。 本事例の依頼者様も、当初は「もう後遺障害はつかない」という前提で72万円の提示を受けていました。そこから当事務所が介入し、主治医と連携して「隠れた症状」を証明した結果、約12倍となる925万円での解決に至りました。
なぜ、そこまで結果が変わったのか? 「過失割合」と「後遺障害等級」の壁をどう突破したのか、その全貌を解説します。
交通事故概要
【相談者】 女性(30代) / 熊本県在住 / 職業:会社員
【傷病名】 骨盤骨折・右仙骨骨折・左恥骨骨折・寛骨臼骨折・両側坐骨骨折
【後遺障害等級】 12級7号
【受任時期】 治療終了・症状固定後
【活動のポイント】 後遺障害等級獲得へ向けたサポート
【サポート結果】 賠償額の劇的(約12倍)な増額
| 主な損害項目 | サポート前 | サポート後 | 増加額 |
| 合計金額 | 72万円 | 925万円 | 853万円 |
相談・依頼のきっかけ
「立ち仕事なのに、股関節が痛む。このまま示談していいのか…」
依頼者様は、衣料品の販売員として日々立ち仕事をされています。 事故による多発骨折の治療を一通り終えましたが、股関節にはまだ痛みが残っていました。しかし、相手方保険会社からは以下の条件での示談提示がありました。
- 賠償提示額: 約72万円(治療費などの既払い金は除く)
- 過失割合: 7:3(被害者側にも3割の過失あり)
- 後遺障害: 考慮しない(完治扱い)
「大きな怪我をしたのに、これだけの補償で終わっていいのか?」 「将来、痛みが悪化して働けなくなったらどうなるのか?」 専門知識を持つ保険会社との交渉に限界と不安を感じ、当事務所へ相談に来られました。
アリオン法律事務所の介入
提示を鵜呑みにせず、「医師への同行」で局面を変える
ご相談を受け、私たちは以下の2つの戦略を実行しました。
- ① 【過失割合】刑事記録による「守り」の戦略 まず警察から実況見分調書(刑事記録)を取り寄せ、事故状況を詳細に分析しました。その結果、保険会社が主張する「7:3」という過失割合は、法的に見てもやむを得ないラインであることが判明しました。 ここで無理に訴訟(裁判)を起こすと、かえって過失割合が悪化するリスクがあると判断。あえて「示談交渉」での解決を選択し、手堅く利益を守る方針を固めました。
- ② 【後遺障害】医師面談による「攻め」の戦略(★解決の決定打) 最大のポイントはここです。 主治医が作成した後遺障害診断書を確認したところ、「左側の症状」しか記載されておらず、ご本人が痛みを訴える「右側」の記載が漏れていました。 このまま提出すれば、右側の後遺障害は「非該当(なし)」と判断されてしまいます。
担当弁護士は直ちに依頼者様に同行して病院へ向かい、医師と面談を実施。「ご本人の生活に支障が出ている右側の症状」について医学的な見解を求め、診断書への追記を実現しました。
結果と弁護士の視点
修正された診断書に基づき申請を行った結果、狙い通り「後遺障害等級12級7号(股関節の機能障害など)」の認定を獲得しました。
- サポート前:約72万円
- サポート後:約925万円
- 増額幅:約853万円(約12.8倍)
【担当弁護士のコメント:勝因の分析】 今回の勝因は、形式的な書類作成で終わらせず、「診断書の内容が、被害者の実態(痛み)を反映しているか?」を徹底的に確認したことにあります。 特に「恥骨骨折」や「骨盤骨折」は、可動域制限や痛みが残存しやすい怪我です。もし診断書の記載漏れを見逃していれば、800万円以上の正当な補償を失うところでした。
熊本で自転車事故に遭い、「保険会社の提示額に納得できない」「痛みが残っているのに理解されない」とお悩みの方は、示談書にサインする前に一度ご相談ください。その痛みは、本来もっと補償されるべきものかもしれません。
ご依頼者さまからのアンケート

個人・女性・32才
【事案内容】交通事故
1.当事務所の弁護士・スタッフの対応はいかがでしたか。
― 大変満足(4.大変満足 3.満足 2.普通 1.不満)
2.数ある法律事務所の中から、当事務所を選んでいただいた理由をお聞かせください。
― 保険会社に勤めている知人からパンフレットを頂き、まず無料相談をさせていただきました。熊本県内でも交通事故について詳しいとのことでしたので安心してお任せすることができました。
3.最後に、当事務所をご利用いただいてのご感想をお聞かせください。
― 人生初の経験でしたので何も分からず、困っていたところを宮﨑先生に担当していただき、本当に良かったと思っております。対応もスピーディでしたし、細かな調整もしっかりしていただいたので、おかげさまで当初よりもかなり手厚い損害賠償を受けることができました。引越しなどで大変ご迷惑をおかけしましたが、ここまでようやくたどり着くことができ、安心いたしました。本当にありがとうございました。
【よくある質問】(Q&A)
Q1. 「恥骨骨折」や「骨盤骨折」の後遺障害は認定されにくい?
A. 諦めないでください。 画像上は骨がついていても、「股関節の可動域(動き)」や「神経症状」を医師と連携して立証することで、本事例のように12級等の認定を獲得できる可能性は十分にあります。
Q2. 保険会社が提示する「過失割合(7:3)」は絶対ですか?
A. いいえ、覆せる可能性があります。 「実況見分調書(刑事記録)」を取り寄せて分析すれば、自転車側に有利な修正要素が見つかるケースは多々あります。示談書にサインする前にご相談ください。
Q3. 弁護士に頼むと「費用倒れ(赤字)」になりませんか?
A. 「弁護士費用特約」があれば実質0円です。 特約がない場合でも、本件のように賠償額が数百万単位で変わる案件では、費用倒れの心配はほぼありません。無料相談で「増額の見込み」を試算いたします。



