事故から3年以上経過し、再手術の可能性が有りながらも相手方保険会社が解決に向けて積極的に動かず放置されていた被害者。被害者は相手方からの賠償案が提示されず不安な日々を送っており、直接的な減収も生じていないことも考慮し、裁判所からの和解案を提示してもらう。結果として重度後遺障害の被害者の事件としては短期での解決となった。

概要

【相談者】 男性(50代) / 熊本県在住 / 職業:会社員
【傷病名】 頚椎捻挫→環軸椎亜脱臼、左腰部の打撲等
【後遺障害等級】 8級2号
【受任時期】 治療終了・症状固定後
【活動のポイント】 訴訟による後遺障害の主張立証
【サポート結果】 賠償提案保留状態から訴訟提起による解決
主な損害項目訴訟前の提示解決額増加額
賠償額(既払除く)提示なし3300万円3300万円

1.相談・依頼のきっかけ

Aさんは、青信号で横断歩道を自転車で横断中に、赤信号で交差点に進入してきた相手方車両にはねられ、事故当初は頚椎捻挫との診断でした。

その後、回復が遅いことから精密検査を受け、環軸椎亜脱臼であることが判明し、手術等を受けられましたが、可動域制限等の後遺障害が残り、後遺障害等級8級2号の認定を受けられ、自賠責保険の保険金の支払いを受けられました。

Aさんは症状固定後も、医師から再手術の可能性を指摘されたこともあり、相手方損害保険会社との交渉を躊躇されているうちに事故から3年以上経過し、相手方損害保険会社も解決に向けて積極的に動かない状態になり、ご相談にみえました。

2.受任後の活動

(1)損害算定・事故状況の調査

Aさんがお持ちの資料及び相手方損保から取り寄せた資料をもとに損害の算定を行うとともに、刑事記録も取り寄せ、事故状況の確認を行いました。

損害の算定にあたっては、Aさんが事故による治療により、役職手当がなくなったことなど、詳細に休業損害を算定しました。 

(2)訴訟提起

相手方損保の対応も考慮して、速やかに訴訟提起をしたほうがよいとAさんと方針を定め、速やかに訴訟提起を行いました。

(3)訴訟活動 

訴訟では、相手方からは、Aさんの後遺障害について、医療文献等とともに8級ではなく12級相当との主張がされました。

当方からは、Aさんの後遺障害がAさんの日常生活・就労に与える影響を詳細に主張していきました。

(4)和解解決

双方の主張がある程度そろったところで、Aさんとも協議し、Aさんの収入に直接的な減収が生じていないこと、早期解決をはかるべく、裁判所からの和解案を提示してもらうことにしました。

和解案では、概ね後遺障害等級8級を前提とした損害の算定がなされ、相手方も最終的に和解案に応じることとなり、和解により解決となりました。

3.当事務所が関与した結果

相手方が賠償案の提示を行わず、Aさんは不安な状態で放置されていました。

相手方は、後遺障害の等級認定を争ってきましたが、相手方の主張を排斥し、当方の主張を前提とする解決がはかれました。

訴訟の第1回期日から和解成立まで4ヶ月と重度後遺障害の被害者の事件としては短期で解決となりました。

4.(所感)解決のポイント

相手方損害保険会社に要望を受け入れられないことも被害者としては苦痛ですが、相手方の主張は知ることができるので、対策をとることも可能です。

ところが、Aさんの場合は、相手方損害保険会社から事実上放置される状態となっており、相手方が賠償する意向があるのかわからないまま不安な状態におかれていました。

受任後、相手方損保とも解決に向けて意見交換・交渉を行いましたが、速やかな解決・時効期間も考慮して、訴訟提起をした上で、双方の主張・証拠関係も考慮し、早期に和解決着を図ることにしました。

Aさんはお仕事も忙しく、メールでの意見交換や、Aさんのお昼休みなどに打ち合わせを重ねました。

障害の程度・後遺障害等級認定の相当性という争点の重さからすると訴訟には時間を要することが多いのですが、比較的短期で、Aさんにもご満足いただける条件で解決となりました。

ご依頼者さまからのアンケート

個人・男性・50才
【事案内容】交通事故

  1. 当事務所の弁護士・スタッフの対応はいかがでしたか。
    大変満足(4.大変満足 3.満足 2.普通 1.不満)
  2. 数ある法律事務所の中から、当事務所を選んでいただいた理由をお聞かせください。
    ホームページの印象が良かった。事務所が会社の近くで立ち寄りやすかった。会社の近くの法律事務所から年齢・経験などで選ばせて頂いた。
  3. 最後に、当事務所をご利用いただいてのご感想をお聞かせください。
    事故から3年以上経過しており、保険会社からも相手にされていなkッタが、宮﨑弁護士のおかげで、当方に有利な条件で無事に解決できました。

解決事例