最愛のお子様を突然の事故で失った悲しみは、筆舌に尽くしがたいものです。そのような状況で、保険会社と「お金や過失」の話をすることは、ご遺族にとって精神的な拷問に等しいでしょう。本事例は、弁護士がご遺族の「精神的な盾」となり、刑事裁判への参加から民事訴訟までを全面サポート。専門的な争点である「生活費控除率」で妥協せず、8,800万円という最大限の賠償を勝ち取った記録です。
交通事故概要
【被害者】 男性(10代) / 熊本県内在住 / 職業:学生
【傷病名】 外傷性クモ膜下出血等
【後遺障害等級】 -
【受任時期】 -
【活動のポイント】 損害(慰謝料・逸失利益の生活費控除率等)・過失割合の主張・立証
【サポート結果】 相手方主張の過失割合率を排斥、生活費控除率も4割で解決
| 主な損害項目 | サポート前 | サポート後 | 増加額 |
| 慰謝料 | – | 2800万円 | |
| 逸失利益 | 4534万円 | 4987万円 | |
| 過失割合 | 15:85 | 10:90 | |
| 賠償額 | 8800万円 |
ご相談時の状況:精神的な限界と不信感
ご依頼者様のご子息(10代・学生)は、交通事故により尊い命を奪われました。ご両親は深い悲しみの中、相手方保険会社との事務的なやり取りに精神的な限界を感じておられました。「全て任せていいのか不安」という不信感を抱えながら、複数の事務所を回り、最終的に当事務所の「刑事裁判の行方を見て、真実を知ることから始めましょう」という提案に信頼を寄せていただき、ご依頼となりました。
アリオン法律事務所の戦略:刑事・民事のトータルサポート
私たちは、単なる賠償金の獲得だけでなく、ご遺族の「納得」と「心のケア」を最優先に考えました。
1. 被害者参加制度による「真実」の追求
民事交渉の前に、まずは刑事裁判に「被害者参加制度」を利用して参加。弁護士が付き添い、事故の真相や加害者の態度を直接確認する機会を確保しました。これにより、ご遺族の「知りたい」という想いに応え、その後の民事訴訟への覚悟を固めることができました。
2. 訴訟による「生活費控除率」の適正化
民事訴訟では、将来の収入(逸失利益)から差し引かれる「生活費控除率」が最大の争点となりました。相手方は「独身男性の目安である50%」を主張しましたが、私たちは「被害者には幼い兄弟がおり、将来家族を支える可能性が高い」として、控除率を低く(40%)見積もるべきだと反論。画一的な基準ではなく、ご本人の具体的な事情を訴えました。
解決結果:主張が認められ8,800万円で決着
裁判所は私たちの主張を汲み取り、以下の判断を下しました。
- 生活費控除率: 相手方主張の50%を退け、45%を採用(控除される額が減り、賠償額が増加)。
- 過失割合: 相手方主張の15:85を排斥し、10:90で確定。
- 最終賠償額: 逸失利益や慰謝料を含め、約8,800万円を獲得。
担当弁護士のコメント
刑事裁判で、加害者が「代わりたい」と述べた際、ご両親が「そんなことは望んでいない。奪った命に見合う生き方をして欲しい」と諭された姿は、涙なしには聞けませんでした。 お金で命は戻りません。しかし、命の価値(賠償額)を不当に低く見積もられることは、ご遺族の尊厳に関わります。私たちは、その尊厳を守るために、法廷で戦い続けます。
ご依頼者からのアンケート
ご遺族

個人・男性・37才
【事案内容】交通事故
1.当事務所の弁護士・スタッフの対応はいかがでしたか。
― 大変満足(4.大変満足 3.満足 2.普通 1.不満)
2.数ある法律事務所の中から、当事務所を選んでいただいた理由をお聞かせください。
― 先生にあって感じがよかったので、決めました。
3.最後に、当事務所をご利用いただいてのご感想をお聞かせください。
― 親身に教えて下さり、先生にすべてお任せして良かったし、とても助かりました。ありがとうございました。
ご遺族

個人・女性・40才
【事案内容】交通事故
1.当事務所の弁護士・スタッフの対応はいかがでしたか。
― 大変満足(4.大変満足 3.満足 2.普通 1.不満)
2.数ある法律事務所の中から、当事務所を選んでいただいた理由をお聞かせください。
― 何件も法律事務所をまわりましたが、ここの先生とお話してこの先生ならお任せできると思ったからです。
3.最後に、当事務所をご利用いただいてのご感想をお聞かせください。
― 何事もはじめての事で分からない事ばかりでしたが、詳しく教えてくださり、また裁判にも付き添って下さり、とても心強かったです。私達だけではとても解決できませんでした。ありがとうございました。もしまた別件で何かあった場合は先生にお願いしたいと思いました。
よくあるご質問:死亡事故・被害者参加について
Q1. 「生活費控除率」とは何ですか?なぜ重要なのですか?
- A. 将来かかるはずだった生活費を賠償金から差し引く割合です。 死亡逸失利益の計算では、生きていればかかったはずの生活費を控除します。この割合が数%変わるだけで、賠償額は数百万円〜1,000万円単位で変動します。保険会社は高めの控除率を主張するため、弁護士による是正が不可欠です。
Q2. 刑事裁判に参加するメリットは何ですか?
- A. 事故の真実を知り、加害者に直接質問や意見を述べられます。 民事の賠償交渉だけでは見えてこない事故の詳細や、加害者の反省の態度を直接確認できます。また、刑事記録は民事訴訟での過失割合の立証にも極めて重要な証拠となります。
Q3. 相手方と直接話したくありません。全て任せられますか?
- A. はい、弁護士が全ての窓口となります。 ご遺族が相手方保険会社や加害者と直接話す必要はありません。精神的な負担を最小限にするため、私たちが盾となり、全ての手続きを代行いたします。



