追突事故で頸椎捻挫(むち打ち症)など、後遺障害等級14級の獲得をサポートし、休業損害・逸失利益の主張・立証を行った事例。車両の物損も示談にて解決。
交通事故概要
【相談者】 男性(50代) / 熊本県在住 / 職業:自営業
【傷病名】 頚椎捻挫、外傷性頚部症候群
【後遺障害等級】 14級
【受任時期】 治療終了・症状固定後
【活動のポイント】 後遺障害の等級認定申請のサポート
【サポート結果】 14級を獲得の上で示談解決
| 主な損害項目 | サポート前 | サポート後 | 増加額 |
| 合計額 | – | 260万円 | – |
※ 物損・既払金除く
1.ご相談時の状況:低い所得と「物損」の悩み
「節税した所得で計算すると、休業損害がゼロになってしまう…」
ご依頼者様(50代男性・自営業)は、信号待ちで追突され、むちうちの怪我を負われました。 幸いお怪我は比較的軽かったものの、以下の2つの問題に直面していました。
- 収入の壁: 自営業のため、日頃から節税対策をしており、確定申告書上の所得が低かった。このままでは、休業損害や逸失利益が低く見積もられる。
- 物損の壁: 購入して間もない国産乗用車が損傷。車両の修理費だけでなく、「格落ち損害(事故車となったことによる価値の低下)」の補償も得たい。
ご依頼者様は、「車両の物損」と「人身の所得」という、二つの大きな経済的リスクを抱え、当事務所へ相談に来られました。
2.アリオン法律事務所の「専門家連携」戦略
保険会社は、公的な書類(確定申告書)の数字だけを見て、杓子定規に賠償額を決めようとします。私たちは、そのマニュアル対応を打ち破る「専門家連携」で臨みました。
- 戦略①:休業損害・逸失利益の「実態収入」立証
ご依頼者様が日頃から依頼されている会計事務所に協力を要請しました。 確定申告書に計上されている「経費」の中で、「事故による休業とは無関係に支払う必要があった経費」や「事業の実態を示す資料」を精査。 これにより、公的書類だけでは捉えられない、自営業者としての「実質的な所得」を法的に有効な形で主張・立証することに成功しました。 - 戦略②:格落ち損害(車両の評価損)の獲得
購入したばかりの車が事故車扱いされることへの不満を解消するため、物損交渉も徹底しました。 「新車・高年式」であることや、「営業用車両」として使用していた事実を主張し、修理代だけでなく「格落ち損害(評価損)」の認定も獲得しました。
3.解決結果:安定した生活基盤の確保
「所得立証」と「後遺障害認定」の両方を成功させた結果、ご依頼者様が納得できる金額で示談となりました。
- 後遺障害等級: 狙い通り14級を獲得(両手指の痺れなど)。
- 所得立証の成功: 公的書類ベースではなく、実態収入に基づいた休業損害・逸失利益の算定を認めさせた。
- 物損の成功: 代車費用、修理費用に加え、格落ち損害も示談にて解決。
- 合計賠償額: 260万円(物損・既払金除く)を獲得。
この260万円は、自営業者として不安定になりがちな収入を補填し、ご依頼者様の生活基盤を安定させる大きな支えとなりました。
4.担当弁護士のコメント
自営業者の方は、節税を頑張っている分、事故の時に「自分で自分の首を絞めてしまう」形になりがちです。
しかし、弁護士は会計事務所とも連携することで、保険会社の「低い所得」という主張に対して、反論する武器を持っています。 むちうちのような軽傷でも、所得の争点があれば、弁護士を入れるメリットは計り知れません。泣き寝入りする前にご相談ください。
よくあるご質問:自営業者・休業損害でお悩みの方へ
Q1. 確定申告の所得が少ないと、休業損害は安くなりますか?
A. 原則として安くなりますが、増額の余地はあります。 保険会社は確定申告書(所得)をベースにします。しかし、経費の内容を精査し、「事業を維持するための支出」など、休業と無関係な経費を所得に足し戻して「実態収入」を証明できれば、増額が可能です。
Q2. 新しい車が事故で価値が下がりました(格落ち)。これも請求できますか?
A. はい、請求可能です。 特に、新車や購入直後の車、人気の車種、営業用車両は「評価損(格落ち損害)」が認められやすい傾向にあります。保険会社が否定しても、市場価値の証明や裁判例を元に粘り強く主張します。
Q3. 14級の後遺障害でも、休業損害や逸失利益は出ますか?
A. はい、出ます。 後遺障害が認定されれば、「後遺障害逸失利益」が加算されます。自営業者の方は、症状が残ったことで仕事への影響が続くことを立証できれば、逸失利益の獲得に繋がります。



