交通事故の被害に遭われた方が、怪我の痛み以外に「二つの大きな壁」に直面し、追い詰められてしまうことがあります。
一つは、納得のいかない過失割合を主張してくる「相手方(保険会社)」。 そしてもう一つは、痛みに寄り添ってくれない「通院先の医師との関係」です。
「あそこの病院にはもう行きたくない…でも、転院したら不利になるのでは?」 「相手の保険会社が強気で、こちらの言い分を聞いてくれない」
そのような板挟みの状況でも、決して諦めないでください。 弁護士は、過失割合という「数字」だけでなく、あなたが安心して治療できる「環境」も整えることができます。 本事例は、過失割合の修正と、スムーズな転院サポートによって、被害者様を二重の苦悩から救い出した解決記録です。
交通事故概要
【相談者】女性(50代)/ 会社員
ご相談時の状況
「医者の先生とは合わないし、相手は強気だし…どうすればいいの?」
ご依頼者様(50代女性・会社員)は、直進中に路外から進入してきた車と衝突し、むちうち(頸椎捻挫)の怪我を負われました。
身体が痛む中、通院先の医師からは「一定期間で治療は打ち切る」「健康保険は使わせない」といった事務的な対応をされ、通院自体が大きなストレスになっていました。 さらに、相手方保険会社からは「あなたにも2割の過失がある(20:80)」と主張され、誰にも頼れないまま精神的に疲弊した状態で当事務所へ相談に来られました。
アリオン法律事務所の「環境改善」戦略
私たちは、まずご依頼者様が安心して治療と交渉に向き合える「土台」作りから始めました。
- 戦略①:過失割合の適正化(20%→10%へ) 相手方は「基本割合」を根拠に2割を主張してきましたが、私たちは現場の状況や接触箇所を詳細に分析しました。 「相手方の進入タイミングが予測困難であったこと」「結果回避が不可能であったこと」を論理的に主張し、相手方の過失が著しい(こちらの過失は小さい)ことを認めさせました。
- 戦略②:ストレスのない病院への「転院」サポート 医師との信頼関係が築けないまま治療を続けることは、患者様にとって大きな不利益となります。 私たちは、無理に我慢して通う必要はないと判断し、交通事故治療に理解のある病院への「転院」を提案・調整しました。 前医とトラブルになることなくスムーズに移行できるよう手配し、安心して治療に専念できる環境を整えました。
解決結果
環境を整え、正当な主張を行った結果、すべての面で納得のいく解決が得られました。
- 過失割合: 当初提示 20:80 → 修正後 10:90
- 治療環境: 転院により十分な治療期間を確保し、症状改善まで通院を実現。
- 最終解決額: 裁判所基準(弁護士基準)の満額で示談成立。
「安心して病院に通えるようになったのが一番嬉しかった」。 ご依頼者様のその言葉通り、精神的な負担を取り除くことが、良い解決への第一歩でした。
担当弁護士のコメント
「病院を変えると不利になる」と思い込んでいる方は多いですが、正しい手順を踏めばそんなことはありません。 むしろ、意思疎通の難しい環境で我慢して通う方が、診断書の記載内容などで将来的に不利益を被るリスクがあります。
私たちは、賠償金の交渉だけでなく、あなたが治療に専念できる環境作りも全力でサポートします。今の状況に違和感があるなら、遠慮なくご相談ください。
ご依頼者様からのアンケート
当事務所の弁護士の対応はいかがでしたでしょうか。
■大変満足
当事務所の事務スタッフの対応はいかがでしたでしょうか。
■大変満足
私がわからないことばかりで沢山ご面倒な質問をしましたが,親切に優しく対応して下さり,とても嬉しく有難かったです。安心して病院にもかかれ,お蔭様で心身共にだいぶ元気を取り戻してきました。また,何かあった時はこちらにご相談しようと思います。本当に,有難うございました。
よくあるご質問:過失割合・転院でお悩みの方へ
Q1. 治療の途中で病院を変えても(転院しても)大丈夫ですか?
A. はい、問題ありません。正当な権利です。 「先生に悪いから」と遠慮する必要はありません。ただし、転院の仕方によっては保険会社とトラブルになることもあるため、事前に弁護士にご相談いただくことで、スムーズかつリスクのない転院手続きをサポートします。
Q2. 過失割合の「1割」の違いで、そんなに金額が変わるのですか?
A. はい、数十万円単位で変わることがあります。 例えば損害額が300万円の場合、過失が1割増えれば30万円も受け取り分が減ってしまいます。たかが1割と思わず、徹底的にこだわって修正すべき重要なポイントです。
Q3. 「判例タイムズ」という本の通りだと言われました。反論できますか?
A. できます。「修正要素」を見つけ出します。 保険会社はマニュアル本(判例タイムズ)の「基本割合」だけで話を進めがちです。しかし、実際の事故には「速度超過」「合図なし」「著しい不注意」などの個別事情(修正要素)が必ずあります。私たちはそれを見逃さず、あなたに有利な修正を主張します。



