年金受給者の高齢者が交通事故に遭った場合、保険会社は「収入がない(逸失利益がない)」として賠償額を低く抑えようとします。しかし、高齢者にも痛みに対する慰謝料を受け取る権利はあります。本事例は、一人暮らしの70代女性が重傷を負い、遠方のご家族が不安を抱える中、弁護士が親身にサポート。後遺障害12級を獲得し、579万円の賠償金と「一人暮らしを続けられる生活」を取り戻した事例です。
交通事故概要
【相談者】女性(70代) / 熊本市在住 / 職業:特になし
【傷病名】 骨盤骨折・右仙骨骨折・左恥骨骨折・寛骨臼骨折・両側坐骨骨折
【後遺障害等級】 12級6号
【受任時期】事故直後・治療中
【活動のポイント】 後遺障害等級獲得へ向けたサポート
【サポート結果】 後遺障害12級6号の獲得
| 主な損害項目 | サポート前 | サポート後 | 増加額 |
| 傷害慰謝料 | 196万円 | ||
| 後遺障害慰謝料 | 290万円 | ||
| 合計額 | 579万円 |
■ ご相談時の状況:遠方のご家族の不安と将来への懸念
ご依頼者様(70代女性・無職)は、知人の車に同乗中、事故により骨盤骨折や左上腕骨骨折などの重傷を負い入院されました。ご依頼者様は熊本で一人暮らしをしており、遠方にお住まいの息子様が「母の今後が心配だ」「保険会社の対応を任せたい」と、当事務所にご相談されました。ご本人は「体が元通りになるか」「一人暮らしを続けられるか」という切実な不安を抱えておられました。
■ アリオン法律事務所の戦略:治療の並走と等級の確保
私たちは、遠方のご家族に代わり、ご依頼者様の治療と生活再建を最優先に考えたサポートを行いました。
- 治療費打ち切り回避と抜釘手術の決断
ご家族と密に連携しながら、相手方保険会社に治療の必要性を説明し、治療費の打ち切りを回避。ご本人が痛みに悩まれていたため、医師と相談の上、高齢ながらもプレートを抜く手術(抜釘)を決断。結果、痛みは大幅に緩和されました。 - 確実な「12級認定」への誘導
抜釘後も左肘に可動域制限が残ったため、後遺障害申請へ移行。医師に診断書作成のポイントを伝え、矛盾のない記載をしてもらうことで、目標としていた後遺障害12級6号の認定を確実に得ることができました。 - 慰謝料に絞った交渉戦略
年金生活者であるため、逸失利益(将来の収入減)の主張は困難でした。そこで戦略を切り替え、「傷害慰謝料」と「後遺障害慰謝料」を裁判基準の満額近くまで引き上げることに集中。結果、合計579万円という、高齢者としては高額な賠償を勝ち取りました。
■ 解決結果:579万円の獲得と生活の再建
弁護士が介入し、治療から賠償まで一貫してサポートした結果、以下の成果を得られました。
- 等級認定: 左上肢の機能障害で12級6号を獲得。
- 賠償額: 慰謝料を中心に増額し、579万円で解決。
- 生活再建: 十分な治療期間を確保できたことで、一人暮らしを継続できる状態まで回復。
■ 担当弁護士のコメント
本件は、治療中に熊本地震が発生するという困難な状況もありましたが、病院まで足を運び、ご本人を励まし続けました。遠方のご家族にとって、一番の心配は「親の孤独と不安」です。私たちは単なる代理人ではなく、**「家族の代わり」**としてご本人に寄り添い、賠償金だけでなく安心をお届けすることを大切にしています。
ご依頼者さまからのアンケート

個人・女性・70代
【事案内容】交通事故
- 当事務所の弁護士・スタッフの対応はいかがでしたか。
大変満足(4.大変満足 3.満足 2.普通 1.不満) - 数ある法律事務所の中から、当事務所を選んでいただいた理由をお聞かせください。
息子が調べて。 - 最後に、当事務所をご利用いただいてのご感想をお聞かせください。
一人暮しで本人が事故にあい、何も考えられないとき、すべて、安心しておまかせして、保険屋さんにせっつかれる事なく静養できて、良かったと思っています。感謝いたします。
ご家族

個人・男性・50代
【事案内容】交通事故
- 当事務所の弁護士・スタッフの対応はいかがでしたか。
大変満足(4.大変満足 3.満足 2.普通 1.不満) - 数ある法律事務所の中から、当事務所を選んでいただいた理由をお聞かせください。
インターネットのHPを拝見し、業務内容・報酬等の案内のほかに弁護士さんの経験談があり、依頼しやすかった。 - 最後に、当事務所をご利用いただいてのご感想をお聞かせください。
事故処理を含め、医療など諸々に不安であり、また、母一人熊本に居り、遠方から全てを対応する事が出来ないと考え御依頼した。宮﨑先生には、病院まで足をはこんで頂き、一人で居る母に安心感を与え下さるなど、誠意のある姿で相談にのって下さり感謝申し上げます。
■ よくあるご質問:高齢者の事故・遠方からの依頼
Q1. 年金受給者でも、交通事故の賠償金はもらえますか?
- A. はい、慰謝料を中心に請求できます。 休業損害や逸失利益は認められにくい場合がありますが、入通院慰謝料や後遺障害慰謝料は現役世代と同様に請求できます。本事例のように、後遺障害が認定されれば数百万円規模の賠償が可能です。
Q2. 遠方に住んでいる親の事故を、子供が代わりに依頼できますか?
- A. はい、可能です。 ご高齢の親御様の場合、お子様が窓口となって相談・依頼されるケースは非常に多いです。当事務所では、電話やメール、LINEなどを活用し、遠方のご家族にも随時進捗を報告しながら進めます。
Q3. 高齢者の場合、後遺障害認定は難しいですか?
- A. 「加齢によるもの」とされないよう対策が必要です。 高齢者の場合、痛みが事故によるものか、加齢によるものか(変形性関節症など)を争われることがあります。弁護士が医師と連携し、事故との因果関係を明確にすることで、適切な等級認定を目指します。



