交通事故による女性の外貌醜状は、深刻な心理的影響を伴うことがあります。本事例では、外見に関する損害を正当に評価し、訴訟を通じて適正な賠償額を得ることができました。顔や体に残る傷跡や変形が、日常生活や社会生活にどのような影響を及ぼすのかを丁寧に検討し、精神的苦痛に対する慰謝料や将来の美容整形費用なども含めた賠償を目指しました。

交通事故概要

【相談者】 女性(20代) / 熊本県在住 / 職業:学生
【受任時期】 治療終了・症状固定後
【傷病名】 全身打撲、全身擦過傷、左上腕内側熱傷、後頭部挫創、下顎部挫創、右腸骨部挫創、歯牙損傷等
【後遺障害等級】 非該当
【活動のポイント】 訴訟提起による慰謝料の立証、過失割合の主張
【サポート結果】 慰謝料の大幅な増額、過失相殺減額の排斥
主な損害項目訴訟前の提示解決額増加額
賠償額130万円320万円190万円

1.相談・依頼のきっかけ

Aさんは、自転車で道路を横断中に、巻き込み事故に遭い、治療も終えて、後遺障害等級認定申請を行ったものの非該当との判断を受けて、ご家族が加入されていた保険の代理店の紹介で事務所に相談にみえました。

2.受任後の活動

(1)訴訟の提起

Aさんの治療は、長期間に及び皮膚の移植等大変な治療でしたが、治療自体は上手くいったようで、治療痕(醜状痕)以外の後遺障害は認められないと判断されました。また、治療痕についても、傷跡の大きさ自体は自賠責保険の認定基準を満たさないことは明らかでした。

相手方保険会社とは、醜状痕が後遺障害等級14級相当であることを前提に賠償交渉を行いましたが、まとまらず、早期に決着を図るべく訴訟提起を行いました。

(2)訴訟における立証活動

訴訟では、相手方からは、治療痕は後遺障害にあたらないこと、10%の過失相殺等の主張がなされました。

治療痕については医療記録、過失相殺については刑事記録をもとに主張を行い、Aさんの事故から現在に至るまでの治療経過・症状についても詳細な主張・立証を行いました。

(3)和解による解決

解決裁判所からは、後遺障害等級14級相当とはいえないが、治療経過を踏まえての赤い本で算定した場合の慰謝料から大幅な増額及び過失相殺は認めないとの認定をした和解案が提示されました。(※赤い本:交通事故の損害賠償額の算定基準・算定例等が記載された文献)

後遺障害等級14級そのものではありませんが、慰謝料の金額から当方の主張が概ね認められたもので和解案に応じ、解決することになりました。

3.当事務所が関与した結果

赤い本の基準を超える慰謝料の大幅な増額及び過失相殺の主張を否定することに成功しました。

4.(所感)解決のポイント

Aさんの治療経過・症状等を丁寧に主張・立証したこと、刑事記録に基づき事故の分析・主張したことが事前提示額を大きく上回る解決につながったと考えられます。

ご依頼者さまからのアンケート

個人・女性・22才
【事案内容】交通事故

  1. 当事務所の弁護士・スタッフの対応はいかがでしたか。
    大変満足(4.大変満足 3.満足 2.普通 1.不満)
  2. 数ある法律事務所の中から、当事務所を選んでいただいた理由をお聞かせください。
    知り合いの方のすすめだったと思います。
  3. 最後に、当事務所をご利用いただいてのご感想をお聞かせください。

  4. 大変お世話になりました。こういう事は初めてだったので、全てをお任せするしかなかったのですが、きちんと話を聞いていただいて、このような結果に落ち着いてよかったと思っています。ありがとうございました。

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