年金受給をしながら働いていた被害者の死亡事故。治療費や慰謝料以外に、就労部分と年金部分の逸失利益を立証することで訴訟を起こすことなく解決に至った事例。
交通事故概要
【被害者】 男性(70代) / 熊本県内在住 / 職業:会社員
【傷病名】 外傷性出血性ショック等
【後遺障害等級】 -
【受任時期】 治療終了・症状固定後
【活動のポイント】 損害(慰謝料・逸失利益の生活費控除率等)の主張・立証
【サポート結果】 逸失利益について立証書類を補充して解決
主な損害項目 | 相手方主張 | 示談内容 | 増加額 |
慰謝料 | 提示前に受任 | 2800万円 | |
逸失利益 | 提示前に受任 | 893万円 | |
過失割合 | 提示前に受任 | 0:100 | |
賠償額 | 提示前に受任 | 3890万円 |
1.相談・依頼のきっかけ
御主人を自動車同士の正面衝突事故で亡くされた相談者が自車及び相手車両の任意保険が同じ会社であったことから、保険会社間のやり取りに不安があるとのことで、事故から2ヶ月を経た頃にご相談にみえました。
ご主人は年金を受給しながらも働き続け、さらに親族の介護も好意で手伝う等、家族・社会に尽くされていた方でした。
依頼者(奥様)は、突然の事故で大黒柱ともいえる御主人を亡くされて茫然とされたまま、保険会社相手の賠償交渉への戸惑いを隠せない状態でした。
奥様とお子様全員から依頼をお受けして、賠償交渉を行うことになりました。
2.受任後の活動
(1)医療記録の取り寄せ
被害者が救急搬送されて亡くなるまでの医療記録を取り寄せ、治療費・慰謝料の算定の基礎資料としました。
(2)逸失利益の立証準備
被害者は年金を受給しながら働いておられました。
そこで、まず就労部分について勤務先に事情を説明して源泉徴収票の再発行をして頂きました(ご家族で保管場所が分からなかったため)。
また年金の受給証明書も準備して頂きました。
これらの資料をもとに就労部分は就労可能年数まで、年金部分は平均余命到来までの逸失利益を算定しました。
3.当事務所が関与した結果
逸失利益は年金部分・就労部分を共に認めた上で、高齢者の慰謝料は低く抑えられることもありますが、慰謝料についても概ね当方で相当と想定した金額で訴訟を経ずに解決となりました。
また、解決とあわせてご家族の遺産分割の協議書も作成させて頂きました。
4.所感
本件は、100:0の事故であり、基本的に訴訟での解決もあり得ると思っていましたが、奥様が相手方も悪気をもって事故を起こしたわけではなく、相手方からの謝罪も受けているので、訴訟まではする気はないと強く希望されました。
このため交渉で解決できる可能な限りの賠償額となるよう交渉に努めました。
相手方への憤り等があってしかるべきところ、相手方をできるだけ許したいという優しいお気持ちに触れることができました。
ご依頼者からのアンケート
解決事例
- 後遺障害 2級1号 の認定を受けて賠償金の総額が1億円を超えた高速道路での追突事故
- 早期解決:被害者請求にて後遺障害等級14級の認定を受け、損害賠償請求額全額の賠償を受ける
- 交渉により交通事故による 休業損害 の 内払い (先払い)が大幅増額した事例
- 物損事故 で 過失割合 を逆転させ、更に早期解決した事例
- 非該当となった後遺障害の等級認定が、異議申し立てを認められ訴訟上の和解に至った事例
- 自営業者 の 休業損害 が争点となる事案につき調停で解決した事例
- 相手方保険会社から認めないとされていた 休業損害 を認められ、解決した事例
- 被害者の既往症等を理由に治療費を打ち切られたが、後遺障害の認定を受けた上で、既往症による減額を受けずに解決した事例
- 自賠責への被害者請求にて後遺障害14級の認定を受けて交渉解決した事例
- 自賠責保険に対する 被害者請求 で、後遺障害等級 14級9号 の認定を受け、賠償額が大幅増加した事例
- 自賠責非該当(2回)を自賠責保険紛争処理機構で、後遺障害14級の認定を受けて交渉解決した事例
- 高齢者の死亡事故につき死亡との因果関係を認めた上で解決した事例
- 異議申し立てが認められて後遺障害等級認定を受けて、交渉にて解決した事例
- 自賠責後遺障害非該当の外貌醜状(肌などの傷跡)につき、訴訟にて外貌醜状も考慮して大幅増額により解決した事例
- 事前認定により後遺障害等級非該当の被害者につき、異議申立により12級の認定を受け、訴訟により解決した事例
- 治療の記録が(自賠責後遺障害非該当)につき訴訟により後遺障害認定前提で解決し賠償額も約16.6倍となった事例
- 被害者請求により右手の骨折につき後遺障害等級12級の認定を受けて、交渉解決した事例
- 車の下敷きになった20代女性が排尿障害等の後遺障害を被害者請求し、訴訟提起し和解に寄る解決した事例
- 長引いていた交通事故被害者と相手方の交渉を極めて短期間で和解までに導いた事例
- 頸椎捻挫等につき被害者請求で後遺障害等級14級の認定を受けて、交渉により解決した事例
- 高次脳機能障害の被害者につき、被害者請求により後遺障害等級5級の認定を受けて、早期解決した事例
- 事前認定での等級認定が否定された後、異議申立により訴訟基準前提で訴外和解した事例
- 10代学生がバイク事故による高次脳機能障害(後遺障害等級3級)を残す事案において6300万円の賠償額の増額で解決した事例
- 70代主婦の休業損害・後遺障害逸失利益に等について、大幅な増額による賠償を受けた事例
- 70代女性の被害者につき後遺障害等級12級を獲得して解決した事例
- ご子息を失った死亡事故について訴訟により解決した事例
- むち打ち・腰椎捻挫等などの後遺障害の非該当から異議申立の結果、認定を得て解決した事例
- 主婦の休業損害・慰謝料について交渉により賠償額を約5倍に増額し解決した事例
- 交渉により慰謝料を増額した上で、早期解決した事例
- 休業損害、後遺障害逸失利益の基礎収入等、賠償金が1377万円増額した事例
- 休業損害・後遺障害の逸失利益の主張を行いながらも相手方保険会社との円満解決に至った事例
- 原付バイクでの事故で両腕の骨折をした被害者につき、賠償額が約2.7倍となって解決した事例
- 右足の骨折につき、被害者請求 により 後遺障害等級12級 の認定を得て解決した事例
- 否定されていた掛け持ちアルバイトの休業損害を交渉により解決
- 多発外傷 にて肋骨骨折、左母趾骨折等により、後遺障害等級12級を獲得し、示談解決した事例
- 対応の遅い相手方保険会社に対応するために受任して早期解決した事例
- 弁護士費用特約を利用して依頼を受けて、当方提示額に沿って早期に解決した事例
- 後遺障害等級12級獲得と過失割合の修正で示談解決した事例
- 後遺障害非該当の被害者につき、訴訟にて後遺障害を考慮した慰謝料の認定を得て解決した事例
- 松葉杖 の使用 期間 、自宅安静期間等も考慮に入れて解決した事例
- 死亡事故 につき、弁護士委任後、早期・交渉解決した事例
- 治療の打ち切り予告をされた被害者につき、治療の継続を認めて解決した事例
- 相手方からの賠償額提示後に、早期に裁判基準で示談成立した事例
- 自転車 対 自動車 の交通事故、過失割合などを見直し賠償金が約12倍(925万円)に増額
- 追突事故による頸椎捻挫等につき、後遺障害等級14級を獲得し、示談解決した事例
- 過去の後遺障害とは別に後遺障害等級認定を受けて解決した事例
- 過失割合を修正した上で、裁判基準の慰謝料額で解決した事例
- 過失割合等が争点の物損事故につき訴訟解決した事例
- 頚椎捻挫等を負った 追突事故 を、裁判基準の 慰謝料 で 示談解決
- 頸椎捻挫・腰椎捻挫の治療中から受任、ほぼ請求満額の賠償を受けた事例